厦門石材企業は局面打破を期待
運賃値上がり、資源不足、コスト上昇 (記者:周臻、林潤 翻訳:陳葵)
2004.09.05
石材業界は従来、低敷居(入りやすいという意味です)、高利潤の業界であると思われていましたが、最近この特徴はあいまいになりました。運賃が上がり、資源不足、加工コスト上昇のため、石材危機は厦門市延いては福建省全省まで広がり多くの中小企業は倒産の試練に直面しているようです。 危機一、運賃急速上昇 「船運賃が上がったため、今まで有った5%の輸入輸出の利潤はすべて運賃に割り当てざるを得なくなった。」と三悦豊石材物流センターの総責任者(社長)林東明さんは記者に会って思わず訴えました。 林さんの話しによると運賃が去年から上がり始めたそうです。国のマクロコントロールにより、鋼材、鉄、砂などの需要量が大きくなったため輸送関連会社が忙しくなり、輸送価格がおのずと引き上がりました。また今年の6月より積載量オーバーに対して厳しい規制実施を開始してからは、今まで過積載で運行していた船も規定積載量では現行運賃が維持できずその結果値上げました。 船の需要拡大、積載量の厳守、この政策は結果的に石材業界の原石、製品の運賃をも急速に値上がりさせています。控え目に見積もっても上がり幅は30%以上になると思われます。以前、1万ドルの原石を輸入輸出すれば500ドルを儲けられましたが、現在では一銭も儲けられません。 我が市の外材の大部分が南安市水頭鎮に出しています。おおざっぱな計算ではいま運賃が立米あたりに140元上がったそうです。同時に石材加工の付帯材料――機械部品、梱包材料、研磨用具などの消耗品の価格も上がりました。陸上運賃の上がりは船賃より幅がもっと大きいようです。豪得勝有限会社の社長王文虎さんは「陸上運賃は二、三倍上がりました!例えば、厦門市〜恵安県過去においては立米あたりに200元でしたが、いまは600元になりました。」と話しています。厦門非金属鉱産輸入輸出有限会社の取締役会長許栄旗さんも陸上運賃の上がりと輸送能力の低下により、ほかの地区へ出している厦門石材の運賃コストが大幅に増えたと言いました。 そのうえ、我が市の石材輸入は特別です。外材の輸入途中に破損があっても買い手が自己負担することとしています、船会社はその責任を負いません。これは輸入会社にとって非常に不利なことです。品物が厦門港に到着して、百元、二百元の損であればまだ喜ぶべきことですが、千元二千元の損も普通です。 危機二、電力供給不足 運賃値上げという大きい変化は石材企業の「ケーキ」(利潤を指す)の大部分を呑み込み、電力供給の制限によるコスト上昇もまた「ケーキ」をかじりました。電力供給の制限で石材企業は納期通りに品物を出荷できないため注文を取り消されるだけではなく発注者に対し賠償金も支払わなければなりません。 発電機を持つ企業も自分で発電すれば生産コストが上がります。計算によると自己発電は度(中国の単位、KW時の通称)あたりに0.3〜0.4元上がるということです。ある中小企業を例として見れば普通生産用電力が月に5万元ですが自己発電なら1万元くらいの費用を多く支払わなければならないそうです。 危機三、原材料不足 石材原材料も「裏庭に失火」という状態です。我が国では高級材は外材が多く、普通の原石は価格が低いので石材企業に広く使われています。近年、国が丁場安全管理に厳しくなり、山の採掘を停止させる事態が多発し原石不足の問題が出てきました。 最近、福建省の主な石材採掘地――晋江603#は事故が多かったため、停止させられ、整備するように命じられました。603#の山は供給量も大きいので突然停止させるとこの部分の空白が大きくなり代替としてやむを得ず、623#633#などの石を変わりに使いますが、それでも供給不足で623#633#の原石価格も上がりました。 厦門非金属鉱産輸入輸出有限会社の取締役会長許栄旗さんは原石の価格が年初めより60%〜80%上がったと語りました。調査によると、海滄623#は立米あたりに720元から1000元までに上がり、300元近くあがり、石材加工面においても厚さ2cmの板は平米あたりに10元のコストが増えたということです。 危機四、売値が異常である コストが上がったと同時には石材製品の売値が上げられません。数年前に石材業界が「高利潤、低敷居」の業界として知られていましたので大企業や中小企業はどんどんこの領域に入りこみました。「現在は供給過剰状態になり、無秩序の競争延で価格は大混乱になりました。」と許栄旗さんは言いました。 王文虎さんはこう語りました。石材企業が多いし、各自の在庫量がそれぞれ違いますが、在庫量の多い企業ならしばらくは値上げを食い止められ、実際のコストより低い売値を提示できます。そうでないほかの企業もコストが上がったにしても客離れを恐れ売値はすぐに上げることができません。しかし状況は来年には明らかになると思います。そのとき価格は現在の価格ラインをずっと突き破るでしょう。「いま多くの企業は苦しいです。」と王文虎さんは言いました。 上記の原因で多くの企業はほとんど儲けられません。過去、石材企業は5%〜10%の利潤がありましたが、現在0〜5%しか有りません。言い換えれば、ほとんどの企業が損する商売をしているそうです。 我が市には登録されている石材企業は500軒あまり有り、登録されていない、輸入輸出会社を通じて出荷する石材企業はもっと多いそうです。石材危機に対して企業はどのようにしてこの事態を超えることができるのでしょうか?企業を支援するために各方面はすでに動き出したと記者は関係部門より聞きました。 対策一、輸入ゼロ関税の提案 目下、政府は山体保護のために丁場開発に対する規制がますます厳しくなり、同時に外国からの原石を輸入することを奨励しています。実は我が市は毎年外材が35%のスピードで増えていて、また外材の選択余地も多くなりました。現在、輸出地はイタリヤ、スペイン、ギリシャ、フィンランド、ノルウエー、南アフリカ、ブラジルなどの国があります。 厦門市貿易発展局対外貿易処の関係責任者の話によると、当該局が提出した石材輸入ゼロ関税の提案はすでに国家財務部関税司に出しているということです。「この提案を出す前に私たちは多くの企業を訪ねました。そのことに対して各企業が強く要望しています。いま提案の批准を期待しています。」と当該責任者が言いました。 いま、原石の輸入関税は4%で徴収しているそうです。4%の差額しか有りませんが、輸入ゼロ関税を実施したら我が市には受益する企業が多くあります。目下、わが国では毎年の石材輸出額が約10億ドルで、そのうち、福建省の毎年の輸出額が7.5億ドルです。厦門の石材は輸入額にしても輸出額にしても全国の5割以上を占めているそうです。石材輸入ゼロ関税はある程度石材企業の圧力を減らしてもらえます。今、原石の委託加工(注1)はすでに輸入免税で、石材輸入ゼロ関税を実施すれば、外材輸入し、国内で販売する企業は最大の受益者になると思われます。同時に企業に多く外材を利用することを促進させます。 当該責任者は石材は再生周期が極めて長い、延いては不可再生資源と言えます。石材輸入ゼロ関税の実施は原石輸入を奨励することです。一方は国内の石材加工の発展に有利なものであり、一方は国内の石材資源を保護できると語りました。 *注1:委託加工というのは原料の持ち込み加工か、サンプルと原材料の持込加工のことです。石材の委託加工はお客さんに原石を外国から(どの国の原石でもいい)買っていただき、(あるいは工場で買うこと)工場で加工しまた外国(どの国でもいい)に輸出すること。(外国から買った石を全て外国に輸出すれば手続きは面倒ですが輸入免税になる。)委託加工は輸入輸出権を持つ会社しかできません、あるいは輸入輸出会社に依頼し、手続きをしてもらわなければいけません。 対策二、石材企業に連合させること それと同時に厦門石材商会の創立も準備中です。厦門非金属鉱産輸入輸出有限会社の取締役会長許栄旗さんはこう語りました。自覚を持って石材業界の規則を守る、無秩序な競争を減らす、価格を調整するために厦門石材商会を創立するわけです。石材企業はこれをきっかけに団結し、協力し合うと期待しています。「過去においては独立独行でしたがこれからはみんなが歩調を合わせて対処することを期待しています。例えば、船会社と商談するときに商会を通じて企業にもっとベストな価格を提示してもらえるとか。」と許栄旗さんは言いました。 他方、今回の第八回の中国投資貿易商談会で厦門市の関係部門は中国五鉱化工輸入輸出商会とは厦門市で石材輸出基地を設立することを商談する予定です。これにより、厦門石材港としての知名度を高めさせ、厦門石材市場の影響を拡大させると市貿易発展局の関係責任者は言いました。 対策三、人造石で天然石を変わりに使うこと 天然石材資源がまずます不足になることは石材企業の危機の原因の一つです。対策として市場では樹脂で作られた人造石を使うようになり、また日々増えていく傾向があります。 三悦豊石材物流センターの総責任者(社長)林東明さんの紹介によると、人造石は樹脂に石の粉、あるいは石を混ぜて造られたのです。人造石の表面がわりに滑らかで、外観から見れば原石より見栄えが良い、また自由に切削、組み合わせ、補修、板と板の間に継ぎ目無しの組み合わせができます。これらは天然石にはできないことです。人造石は平米あたりに百元二百元くらいで天然石とは価格の差が大きくありません。ある程度、天然石材の不足の状況を緩和していると言うことです。 しかし、別の意見もあります。人造石は顧客うけが好ましくないそうです。豪得勝有限会社の社長王文虎さんは顧客はやはり天然石が好きで人造石は天然石の変わりになることがしばらくの間にできないそうです。 * (1ドル=約8.26人民元) 中国石材の60%は厦門市の港を通じて輸入輸出している 厦門市貿易発展局対外貿易処の資料によると、厦門港からの石材の輸入輸出数量は中国石材輸入輸出の60%を占め、そのうち、輸入は51%で、輸出は65%を占めているそうです。 2003年に厦門港からの石材の輸入輸出額は10.11億ドル前年同期比27.34%増で、全国での比率は2001年の53%より60%までに高まりました。そのうち、輸出額は7.03億ドルで全国の63.53%を占め、輸入額は3.08億ドルで全国の52.92%を占め、輸入関税は1.02億人民元を納税しました。 厦門港はすでにわが国では最大の石材対外貿易港及び国際的石材物流交易センターに発展してきました。厦門及び周辺地区(南安、泉州、?州など)の石材加工企業は4000軒あまりですでに国際的石材加工基地になっております。 目下、中国はすでに世界の石材資源大国、生産大国、貿易大国及び消費大国になっております。2003年にわが国の石材業界の生産量は約1.9億平方メートルで、輸出額は11億ドルで、2002年同期比20%増、8%増の世界の同期比より多いのです。石材輸入額は6億ドルに近く、わが国はすでにイタリアに次ぐ世界第二石材貿易大国になっており、2003年国内石材消費量は約1億立米で世界第一石材消費大国になりました。
翻訳協力者:陳 葵

中国北京第二外国語学院 日本語学科卒 訪日経験有り石材業界通訳10年、その間検品員としての修行も行う
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